3人が顔を合わせるのは今回が初めて。
シャインファクトリー増沢正康社長:
この詞を拝見させていただいて、これは僕の主観的な
意見なんですけれども、ご両親とか、親に対しての思い入れが非常にある詞
だなと勝手に思ってまして。でもぱっと見だと例えば好きなまま別れてしまった
とか、そういう『恋人』に対してのつらい思い出を思わせるような部分もあるなと
思うんです。
薫さん:
うちの両親は健在で元気にしているんですけれど、
祖父が亡くなった時にもう少し優しい言葉をかけておけばよかったなあって
いう思い出がかつてあったことをこの曲を聴いたときにふと思い出しまして。 シャインファクトリー増沢正康社長: それはある意味引き寄せられたというかメロディーから発想するものが もうこのイメージになってしまったと。 薫さん: それこそ10年以上前の話なので、普段日常では思い出すこともなかったん ですけど、メロディーを聴いたときにおじいちゃんちに遊びに行って、夕方帰る ときの空の暮れた感じとか迎えにきてくれたおじいちゃんとか、そういうものが ふわーっと情景で浮かんできて。 シャインファクトリー増沢正康社長: でもこれ、そのとおりですよね。発想とすると牧歌的な…
坂本竜太さん:
そう、基本的にものすごくシンプルなメロディーで、
ただ流れていくんだけど、積み重なっていくうちに深くなるような。現在の
J-POPには奇をてらってどんどん展開していく曲が多いんですけど、なるべく
そういうのを少なめに作ってみました。 薫さん: あえてこの曲は奇をてらって書いたらいけないなっていう気になったんですよね。
シャインファクトリー増沢正康社長:
時間軸でいくとまさに夕暮れとか、手を繋いで歩くとか、そういうイメージは
たしかにこの詞が出来上がる前から僕らもすごく強く抱いていたんです。
薫さん:
まさにそういう感じですよね。そういう光景がふわーっと浮かんできて。
シャインファクトリー増沢正康社長:ゆうりはこれ(歌詞)見てどう思った? ゆうりさん:いいなと思ったよ。実は私のおばあちゃんも去年亡くなって、 それでまったく同じようなことを体験したんです。私も田舎が遠くなので、なかなか会いにいけなくて… 薫さん:福井ですよね。 ゆうりさん:そうですそうです!正月には会ったんですけどそのあとすぐに亡くなって しまって。まさか2月に亡くなるとは思ってなくて、自分もプライベートで結婚したりとかいろいろあったんですけど、 結局その報告をしただけで来てもらったりできなくて。 伝えたかったことをあんまりおばあちゃんに言えてなかったんです。 そういうのもあって、この詞を見たときにおばあちゃんのこと思い出しちゃうなっていうのがあって。 薫さん:曲を聴いたあとにゆうりさんのプロフィールを拝見させていただいて、 出身地が福井ってあったので、福井の方ってわりと核家族よりも、おじいちゃんおばあちゃんと 一緒に住んでいることが多いっていうのを友人から聞いたのを思い出したんです。 やっぱり大阪とか東京とかよりも、家の中に子どもがいてお父さんお母さんがいて、 おじいちゃんおばあちゃんもいるっていうのが自然にあるんで、その結びつきっていうのは ゆうりさんにも共感してもらえると思って、これは書いてもいいのかなって思えて。 メロディー聴いてプロフィールみて、これしかないって思って(笑) たしかにこういうテーマでコンテストに出すって言うのはどうなのかなっていう迷いはあったんですけど、 テーマとしては絶対間違ってない、あとは自分でこれをどう表現しようかって思って。 ゆうりさん:これってけっこう誰にでも当てはまることだよね。 薫さん:誰も見送らない人生っていうのはないと思いますし。 シャインファクトリー増沢正康社長:いろんな作品を応募していただいて、 かなり幅広いテーマが送られてきたんですが、いまの歌手(ゆうりさん)の環境、おばあちゃんのことも含めて、 やっぱりこの曲が求めてたものっていうのは、これしかなかったんじゃないかと思います。 たしかに技巧的にすごくうまいものとか、とにかくたくさん送られてきたのでほかにもいいものはあったんですが、 読んで、本人の歌がハマって、説得力が2倍3倍になるっていうのはこの詞だと思うんです。
坂本竜太さん:(曲と歌詞が)もうばっちりあってますね。 薫さん:出だしの一行目とか、1回目聞いてるあいだにもうこの2コーラス目のところに さしかかるころには言葉が一緒にきこえちゃったんですよ。それを外したバージョン とかも考えようとしたんですけど、もうはまりすぎてしまって。 これはもう完全にメロディーに引っ張ってもらって出てきた歌詞ですね。 シャインファクトリー増沢正康社長:いろいろ話してて思ったんですが、結婚式とかでいいよねってちょっと思ったんだけど、 「さよなら」って入っちゃってるんですよね(笑) 全員:あー・・・(一同残念な笑い) 坂本竜太さん:でもひとつのくぎりっていう意味ではさよならでもいいんだけど、 最後に言わせてっていうのがまたよくてね。 これに歌が入るのがすごく楽しみですね。変える必要は・・・ないかな。 そういえばさっき出てた「背負われて・・・」の部分どうしますか? さきほどの薫さんの話を聞いてしまったからこれしかないと思っちゃいますけど、 おじいちゃんに限定しなくてもいけるとは思うんです。 夕暮れどきの、景色のほうをもう少し見せていったらどうかなと思ったんですけど。 冬なのかなとか。 薫さん:これは書いたほうの勝手なイメージなんですけど、子どもの目線と、背負われた ときの目線って違いますよね。誰かに背負われたときの目線っていうのはその人の目線に近くなりますよね。 坂本竜太さん:なるほど、それが「景色」になってるわけですね。 後ろに「懐かしい」とか「遠い」とかって単語も出てるんで、このノスタルジックなままのほうがいいかもしれないですね。
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